ちきりん氏の「自分の時間を取り戻そう」を読みました。
- 作者: ちきりん
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/11/25
- メディア: Kindle版
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- 生産性ーー各々が持つ希少資源(金や時間)のインプットに対するアウトプットの比率ーーの重要さ
- それを上げるにはどうすればいいか
が主なテーマでした。
特に印象的だったのは、以下の部分。
「インプットを容易に増やせる状況においては、誰も生産性を上げようとは思わない」
「生産性を上げるためにはインプットを減らせばよいのです。」
後者は、何かに時間を取られて忙しくさせられていたら、むしろかける時間を減らせということであり、逆説的ですね。
かつてのブラジルと日本の農業の違いから上記を導いています。
収穫を増やすには、単に農地というアウトプットを増やせばよいと考えられていたので、ブラジル農業の生産性は低かった。
日本の農業生産性は高かったが、それは教育水準などではなく、日本は土地が限られていたが故のもの。生産性を高めねばならない環境では、工夫が必須となり生産性が高くなった。
私たちの労働においても、同じことが言えるなぁと。
会社によって差はあれど、社会全体として残業に対してあって当たり前のものという認識があるように思えます。残業することの制度的・心理的障壁が低いので、時間というインプットを容易に増やせる状況にあります。
だから、仕事が間に合わないなら、労働時間を伸ばして間に合わしてしまうのです。本来は、何時間もかかる割にそれに見合う効果のない資料作りを止めたり、明らかに効率の悪いワークフローを改善し、生産性を上げれば標準労働時間内に終わるかもしれないのに。
だから、生産性を上げる方法は、各々に取り組む時間の上限を先に決めてしまうことということですね。
その他、為になりそうな気づき
- 何事もやり始めは、上達速度の速い生産性の高い状態にあるが、あるところから生産性の低い状態になる
- そこから更に突き詰めていきたいなら続ければいいし、そこまででないなら能力維持程度のインプットを続けるか辞めるかして、次へいけばよい
など。
会社作るとしたら、残業を原則禁止し、業務時間の1-2時間は生産性を上げるために考察・実施する為に使うものとするとするようにするといいのかなぁなんて思ったりしました。
丁度「残業規制47%の企業が「支障あり」に非難殺到」という記事を見かけました。
裏で残業させないために、実は破っていたら莫大なペナルティもないと意味がないと思いますが、それもあるとして。
本書には、どうしても残業できない状態になれば高生産化は必須になり、変われない低生産な企業・労働者は淘汰されていくこと、加えてベーシックインカムも実現すれば「生産性が低い人はお金あげるから働かないで」となるかもしれないともあり、そうなれば面白いと思いました。
これを書きながら、こういったブログ記事も文字数に制限がないと無駄に色々書いてしまい、もともと低い生産性が更に低くなるなと思ったので、今後本の感想記事は1600文字の制限をかけることにしました!