こうのとりの巣

スマブラDXプレイヤー Kounotori のブログ。面倒くさがりの為のお手軽食品の紹介、Kindle 本の感想など。本以外の紹介やそもそも紹介でもない記事もなんでも書くよ。

「最高の休息法」を読んだ

 「世界のエリートがやっている 最高の休息法」を読みました。プロゲーマー VGBC|aMSa 氏が良かったと言っていたので、早速購入することにしました。

 本書は、GoogleApple など世界のトップ企業で導入されている「マインドフルネス」――一言で言えば「休息の方法」――という脳と心を休ませる為の技術群に関する本です。冒頭で 7 種類の具体的な休息法を掲載し、その後の本編で脳科学研究に打ち込みつつも脳が疲弊仕切って挫折しかかっているエリート学生のストーリー(登場人物は架空だが、作中で挙げられる研究は実際のもの)を通してマインドフルネスについて説明していきます。

何もしなくても脳は疲れていく

 一日ボーっと身体を休めたり、リゾート地でのんびりしたとしても、疲労感がなくなりスッキリ、とはならないことはままあるのではないでしょうか。 これは、大量なエネルギーを無駄に消費するという、「脳が意識的な活動をしていないとき」に働くベースライン活動「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」によるものだそうです。

 過去や未来の、考えても仕方のないことなど(しかも堂々巡りしていることが多い)の「雑念」が、何かに集中していない時、ほぼ常に浮かんでいる(もっと言えば、集中したいときなのに雑念が浮かんで集中できないこともある)方はいらっしゃらないでしょうか?

私もこれに該当していました。「常に何か(有意義なことを)考えている(ドヤ顔)」ということではなく、不必要な考えが浮かんでは消えを繰り返しているのです。

 脳はその大きさの割には、全身のエネルギー消費の 20 %を占める、大変エネルギーを消費する器官で、しかも DMN は、その脳が使うエネルギーの内、一般に 60~80 %を占めているというのです。この DMN の活動が過剰であり続ける限り、勝手に脳はどんどん疲れていく為、一日何もしなかった日を過ごしても疲れが取れない、ということです。

 マインドフルネスにより DMN の活動がより弱い脳構造を作っていくことで、慢性的な脳の疲労から解放される、ということが本質だと思われます。

DMN の活動を抑える方法

 肝心のその方法ですが、抽象的に言えば「いまここに能動的に意識を向けること」。それが出来るようになるための具体的な訓練は「瞑想」です。

 「瞑想」……一気に胡散臭くなりました。しかし、これは脳科学的に効果が実証され、メンタルヘルスの治療でも効果が確認されており、Apple 創業者のジョブズも瞑想の実践者であったことも知られています。

 紹介されている 7 つの内、最も基本となる「マインドフルネス呼吸法」の内容は、姿勢を正して椅子に座り、今している呼吸・床に触れている足の裏の感覚・重力の感覚などの様々な身体感覚に能動的に意識を向けます

 特に呼吸は「意識の錨」として何度も言及される、マインドフルネスの要で、雑念という嵐が生じても、すぐに「意識の錨」である呼吸に意識を向けることで、流されずにいることができるとのことです。 確かに、「呼吸」は、まさに「いまここ」にある自分がしているものに他なりません。呼吸に意識を向けることで、「いまここ」に意識を向け直せるというのは理にかなっていると思いました。

 とにかく疲れているとき、怒りや衝動に流されそうなときなど、状況に応じた 7 つの瞑想のやり方が冒頭でまとめられ、そして本編中でも登場します。また、この瞑想は 5 分や 10 分でもいいので、毎日決めたタイミングで同じ音楽をかけてやるなど習慣化してとにかく続けることが大事だそうです。

まとめ

  • マインドフルネスとは、休息の方法である
  • 何もしなくても疲れが取れない原因は、脳の DMN の過剰な活動であった
  • DMN を司る部位の活動が高くない脳に変えていくこおで疲れにくい脳ができる
  • 脳の休息をしたり、疲れにくい脳に変えていくにはマインドフルネス瞑想が有効

多分 1600 文字行ったのでおわります。

あとがき

 脳が意識的な活動をしていないときに働く DMN への言及には驚きました。完全に意識の外ながら、常にやってしまっていたことであり、しかも普段精神的に疲れを感じている原因だったからです。

 「疲れにくい脳」を手に入れるまでは長い時間がかかるでしょう。 ただ、何か慣れていることをしていると、ある程度自動化されているので雑念がわき集中を欠くことが多いのですが、呼吸に意識を向けるだけでも、ある程度集中し直せることが実感できています(プラシーボ効果かもしれませんが)。 私はとりあえず、寝る前にやることにしました。また、床に入ってからも眠るまでやることにしました。

 元々、たまに雑念だらけで眠れないときがありますが、そういうときに、睡眠誘導音声を聴きながら寝ていたことがありました。これが結構効果あるんですよ。 睡眠誘導音声には、呼吸や脱力の指示などがあるのですが、これはマインドフルネスに通ずるものがあったのだなぁと本書を読んで思い出しました。 睡眠の改善にもマインドフルネスは効果があったという研究もあるそうです。

 というわけで、雑念だらけなのは私には「そういうもの」だったので、解決し得る悩みだという認識がなかったのですが、悩みの種の1つを解決してくれそうなので、習慣化していこうと思います。