こうのとりの巣

スマブラDXプレイヤー Kounotori のブログ。面倒くさがりの為のお手軽食品の紹介、Kindle 本の感想など。本以外の紹介やそもそも紹介でもない記事もなんでも書くよ。

「スタンフォードでいちばん人気の授業」を読んだ

スタンフォードでいちばん人気の授業

スタンフォードでいちばん人気の授業

 リーダーシップとビジネスを専門に学ぶスタンフォード大学の経営大学院は、GoogleYahoo!Paypal の創業者など、数々の起業家を排出してきた。本書は、スタンフォード大学経営大学院の中でも人気のある授業を、「人間を知るための授業」と「人間力を高めるための授業」の2つに大別し、人気教授へ取材を行った上で、それぞれどのような内容が教えられているのか、なぜそれが重要なのかを解説したものだった。
 「人間を知るための授業」は、心理学・行動経済学・組織行動学などの側面から、人間そのものを解き明かし理解していくものだ。起業し成功するには、他者の理解が必須だし、一方で自分自身を変えていく必要もある。その為に「人間」そのものの性質や傾向などを理解している必要がある。  「人間力を高めるための授業」は、修羅場・交渉事・人前で話すなどの場面でどう振る舞えばよいのか、実践的なことを学ぶ授業だ。「こう言われたらこう返す」など、具体的な言い回しまで事細かに訓練しているそうだ。

人間を知るための授業

 第1章「ストーリーの力」では、世界中の企業の「印象を持ってもらうためにストーリーの力をどのように戦略的に使っているか」「(図らずも)人々に好印象を持たれるようになったストーリー」などの事例を上げている。
 人間に何かに対する印象を与えるには「ストーリー」の力は非常に有効で、ストーリーには3つの分野に対する効用があるそうだ(「マーケティング」「イノベーション」「社員のやる気の刺激」)。この3分野でどのようにストーリーが活かされているのか、具体事例をもとに紹介していく。

 第2章「マーケティング」では、人間の脳にはどのような限界があるか実験を元に示し、この能力の制限の中で効果的にマーケティングする方法を紹介していく。上手に伝える為に意識すべき「マジカルナンバー」、判断を大きく左右する「決断疲れ(人間の決断エネルギーの限界)」を紹介し、また実際どのように使われているか具体事例も紹介していく。

 第3章「イノベーション」では、「破壊的(革新的な製品の創造)」「持続的(既存の製品の置き換え)」「効率化(安く効率よく製造)」の3つにイノベーションを分ける。効率化によって浮いたお金を、革新的な製品を生み出すために使うなど、3つともが会社の中で繰り返し出てくるようにしなければならないそうだ。イノベーションに失敗し落ちぶれないようにするにはどうすればいいかが説明される。

(第4・5章の「社内政治の力学」「リーダーシップ」は文字数の関係上省略)

人間力を高めるための授業

 第6章「スタンフォード式会話術」では、経営者が直面する厳しい状況における会話術を紹介していく。ある人に何かを言わなければならない状況で、話し合いのアポ取りの為に電話をしてはいけないことや、主張は長々とせず簡潔に話すべきことなどを説明し、様々な事例においてどう言えばいいかを人気授業の教授が解説していく。

 第7章「スタンフォード流交渉術」は、交渉における「戦わない・妥協しない・損をしない」について説明する。戦いではなく助けを求めるような言い回しで話し始めること、継続的な関係の相手とは妥協してはいけないことなど。また、知っておくことでハマらないようにする為に、人を揺さぶれる「心理戦術」も紹介する。

 第8章「コミュニケーション」では、全ての基本「AIM」というフレームワークを用いた利害関係者とのコミュニケーションを解説し、第9章「マインドフルネス」では、以前このブログで書籍紹介をしたが、脳に様々な効用がありパフォーマンスを向上させることができるマインドフルネスを紹介する。

感想

 1600字いったのでおわり。
 おれは起業したり経営者になることを目指していませんが、企業が消費者にストーリーの力を使っていることや、決断疲れなどは自分にも関わりのあることなので興味深かったですし、コミュニケーションの「AIM」も、仕事上でとても役に立ちそうだと思いました。フレームワークなので実践もし易そうです。また交渉は、仕事以外でも十分起こりうることですし、本書で出てきたことは色々と活かせそうで有益な本でした。